Photo & Essay

◎  熊本城の桜 

先週後半、
九州へ行ってきました。
桜を見るつもりで行ったのではありませんが、
関東よりもひと足早く、
見頃を迎えていました。

熊本城は桜の名所だそうで、
行った日(27日)は晴天(ただし寒い日でしたが)、
花も満開のちょっと前、
絶好の日和でした。


熊本城

お城の西側から入りました。
お濠に映っているのは城壁の隅にある戌亥櫓です。


熊本城

お天気よし、
桜よし、
それに土曜日で、
大勢の人が押し掛けました。


熊本城

西大手門。


熊本城

大天守閣。
まだちょっと蕾が残っていました。


熊本城

天守閣からです。
桜を上から見下ろすことはあまりないのですが・・・


熊本城

もう一度、大天守閣ですが、
その左側にちょっとみえるのは小天守閣です。
並んで立っています。

熊本城は明治10年の西南戦争のとき、
政府軍が立てこもり、
西郷隆盛の率いる薩摩軍と戦ったそうですが、
その数日前に火事が起きて、
建物のほとんどが消失しました。
ここに聳えているのは鉄筋コンクリートの城郭ですが、
外観は見事に再現されています。


熊本城

天守閣の隣に、
本丸御殿大広間が平成20年に再建されました。

ここは「若松之間」で、
藩主が家臣と対面する際に座す部屋だったそうです。
できたばかりですから、
柱も床も壁や襖の絵も、
みんなピッカピカです。


熊本城

この建物の中で、
一番人気を集めている部屋のようですが、
「昭君之間」といい、
中国の故事「王昭君」の物語が描かれています。

Wikipediaによれば、
王昭君は中国四大美人の一人で、
西施(春秋時代)
虞美人(秦末)
王昭君(漢)
楊貴妃(唐)

がその4人だそうですが、
そろって悲劇の美女たちです。

王昭君は「落雁美人」と呼ばれ、
漢の時代、
異民族の懐柔のために漢の後宮から
匈奴の王に女性を下賜することが決まり、
国のために異邦に嫁いだ女性。
旅の途中、
故郷の方向へ飛んでいく雁を見ながら
望郷の思いをこめて琵琶をかき鳴らした所、
彼女の姿と悲しい調べに魅入られて
雁が次々に落ちてきたと言われる。



漢の元帝(在位:前49~前33)の後宮には
3000人ともいわれる美女がひしめいていました。
あまりに多いので、
帝は似顔絵を描かせて
その中から美しい女を選んで召し出していました。
それで女たちはこぞって絵描きに賄賂を贈り、
少しでも美しく描いてくれるように頼みました。
しかし王昭君は美貌に自信があるので、
ありのままに描けばよいといって、
賄賂を贈りませんでした。
それで絵描きは醜く描いてしまいました。

匈奴の王に後宮の女を与えることになったとき、
最も醜い女を選ぶことになりましたが、
似顔絵によって選びましたので、
白羽の矢が立ったのは王昭君でした。
匈奴に引き渡す時に始めて王昭君を見た元帝は、
その美貌に驚き、惜しみましたが、
もはや後の祭りで、
仕方なく送り出しました。
その後絵描きは処刑されたそうですが・・・

李白は五言絶句で、
王昭君が出発するときの様子を詠んでいます。


          照君払玉鞍(しょうくん ぎょくあんをはらい)
          上馬啼紅頬(うまにのぼって こうきょうなく)
          今日漢宮人(こんにちは かんきゅうのひと)
          明朝胡地妾(みょうちょうは こちのしょう)

意味は、
王昭君は美しい鞍に手をやって、
馬に乗ると紅を差した頬を涙が流れた。
今日は漢の宮廷の人であるが、
明日は卑しい異民族の地で側室になるのだ。

哀しい物語にしては
華やかな色の障壁画です。


◎  ハナモモ 

昨日の桜と同じ日の新宿御苑での撮影です。


ハナモモ

紅のハナモモ(花桃)です。
向うの白いのもハナモモです。
どちらも、
まだツボミが多かったのですが・・・


ハナモモ

上の写真と同じみたいですが、
こちらは1本の木に紅白の花がつく「源平桃」です。


ハナモモ

白とはいっても、
少し紅が入っていました。


ハナモモ

紅の方はほんとに真っ赤でした。



ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下     波郷

こんな句を作っても、
奥様のご機嫌はゆるぎなかったのでしょうか?


◎  サクラ 

ソメイヨシノは開花を始めましたが、
まだ撮るほどの花数がありません。
しかし今を盛りと咲き誇っているサクラもあります。
22日に新宿御苑へ行ってきました。
振替休日、晴天(その割に寒かったですが)、サクラ、
で沢山の人出でした。


ヨウコウ

「陽光」という品種です。
色が濃く、大輪で、早咲きのサクラです。
検索で誕生秘話を見つけました。
よろしければ下記をクリックしてご覧下さい。
平和のさくら「陽光」誕生秘話


ヨウコウ

これも陽光です。


オオシマザクラ

オオシマザクラです。
向うに見えるのは陽光です。


オオシマザクラ

オオシマザクラの葉は塩漬けにして、
桜餅を包むのに使われます。


シダレザクラ

シダレザクラです。
もっと下迄咲いているのですが、
ぐるっと人が取り囲んでいましたので、
下部はカットしました。


タカトオコヒガン

タカトオコヒガンです。
高遠のサクラは有名ですが、
見に行ったことがありません。
新宿御苑に1本あることも今まで知りませんでした。

水辺に人が集まっていると、
「水ぬるむ」(春の季語)を感じます。

水底に映れる影もぬるむなり     久女


◎  ハクモクレン 

東京のサクラ開花宣言は昨日でした。
先日開花間近のソメイヨシノのツボミの写真を載せましたが、
例年の通り、
東京の靖国神社の基準木と同じく、
一昨日は一つ二つ開いただけ。
昨日になって5個以上開きましたが、
今日はあまり開花が進展していません。

ということで、
ソメイヨシノに先駆けて咲いたハクモクレンです。
曇りの日が多かったので、
青空になるのを待っていて撮りました。


ハクモクレン



ハクモクレン



ハクモクレン



ハクモクレン



ハクモクレン



木蓮の花許りなる空を瞻る     漱石

(許り=ばかり)(瞻る=見る)


◎  サクラ 

東京のサクラの開花予想日は23~24日ころのようですが、
そのサクラとはソメイヨシノのことです。


サクラ

今日の午後の
わが家の前にあるソメイヨシノのツボミです。
例年数個の花が
東京での開花宣言とほとんど同時に開きます。

この状態から開花まで
どのくらいの日数が必要かよく分かりませんが、
そんなに先のことではなさそうです。


サクラ

これはソメイヨシノでありません。
カンザクラ?
もうほとんど満開です。


サクラ

カンヒザクラです。
これは終わりかけです。


サクラ

赤っぽい葉と花が一緒ですから、
ヤマザクラ系の花でしょうか~
毎年早く咲きます。

ここまではすべて今日の撮影です。


サクラ

これだけ16日の写真です。
カンヒザクラです。

この日はトウハクでトウハクを見てきました。
漢字で書くと、
「東博で等伯を見てきました」
になります。
東博は東京国立博物館、
等伯は桃山時代の絵師、長谷川等伯です。

カンヒザクラの背景は東博館内の表慶館です。
青いドーム屋根を頂いた明治末期の洋風建築です。


等伯

等伯

長谷川等伯は国宝「松林図屏風」(東京国立博物館蔵)と
国宝「楓図」(京都・智積院蔵)などで有名です。


行ってみたら、
ものすごい混みようでした。
「入館迄90分待ち」とのことで、
帰ろうかと思いましたが、
折角来たのだからと辛抱して待ちました。
初夏のような暑い陽射しを受けながら・・・

東京国立博物館のHPを見たら、
この展覧会は2月23日に始まって、
3月10日で10万人入場達成、
3月17日で20万人入場達成、
と書いてあります。

日数で計算すると、
3月10日までは開館日数14日間で10万人、
その後は開館日数6日間で10万人、
ということになります。
会期は22日までです。
最後の5日間で、
もう10万人の入場は固いと思われます。
すごい人気です!


◎  トサミズキ 

先日小平の薬用植物園に行ってきました。
そこで撮った花です。

トサミズキ

トサミズキ
マンサク科

「絶滅危惧?類」と書いてありました。


トサミズキ

漢字では「土佐水木」と書きます。
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに自生し・・・
と図鑑にあります。
庭や公園に植えられているようですから、
絶滅危惧?
という気もしますが、
自生地で絶滅しかかっているのでしょうか~


トサミズキ

「土佐水木」の俳句でもあるかと思い、
歳時記を見ましたがありません。
季語でないようです。
「土佐」のつく春の季語がひとつあって、
「土佐の海に硯石を取る」です。

説明は、
陰暦3月3日の汐干に、
土佐の国安芸郡羽根村の伊芝山と羽根崎、
また室戸岬の坂本などで、
海底の硯石を採取したという。
この伝えに興味を抱いて古来の俳書に季語として記載したのである。
伊芝石は紫色と青色、
羽根崎石は黒色、
坂本石は紫色という。


こんなに長い(字数の多い)季語があるとは知りませんでした。
例句に、

硯とり法師もすなり土佐の海     樓川

というのがありました。

トサミズキとは関係ないお話で、
ゴメンナサイ。


サンシュユ

サンシュユ
ミズキ科

シナマンサクも咲いていましたが、
以前に載せましたので、
トサミズキと科は異なりますが、
サンシュユにしました。


サンシュユ

「山茱萸(サンシュユ)の花」は春の季語です。

山茱萸のどこさびしきや黄はさびし     貞

春先は黄色の花が多く、
この色を春らしい、
暖かな色と思っていましたが、
「さびしい」と感じる人もいるのですね~


◎  スノードロップ 

下を向いて咲く花々です。

スノードロップ

スノードロップ
ヒガンバナ科

本来は下を向いて咲く花なのに、
こんな風に横向きで咲いていました。


スノードロップ

正面から。
花芯は真下からでないと撮れないはずなのが、
何の苦労もなく撮れました。


クリスマスローズ

クリスマスローズも、
こんな具合に横を向いていてくれれば、
下から覗き込む必要がありません。


ベゴニア

ベゴニアです。
シュウカイドウとそっくりですが、
もっと小さな花です。
温室に咲いていました。
これも下向きといってよいでしょう。


◎  春の花(2) 

前回に続いて春の花です。


ジンチョウゲ

ジンチョウゲ
ジンチョウゲ科


ミツマタ

ミツマタ
ジンチョウゲ科


ミツマタ



クリスマスローズ

クリスマスローズ
キンポウゲ科


クリスマスローズ



クリスマスローズ

クリスマスローズは下を向いて咲くから、
撮りにくい花です。


撮るときは、
しゃがみ込んで、
カメラを下から上に向け、
何となく後ろめたい気持ちです。
もしかして、
迷惑防止条例違反とかに
なりはしないだろうか・・・と。

教育者である学校の先生や
高い地位にある定年間際の警察官などが、
そんなことで逮捕されたりしますから・・・

何故こういう事件が起こるのか?
一つには、
Q:何故山に登るのか?
A:そこに山があるから。
みたいなこと。
二つ目は、
小型で全自動で・・・
便利なカメラがあるから。
~でしょうね。

「山」に対する強い憧れは昔からありました。
東京タワーができて間もない頃ですから、
昭和34~5年頃のことです。
友達数人と東京タワーに登りました。
見物を終えて降りてくる時、
友人の一人が、
「ひどいやつがいたよ」といいました。
タワーに登った人はみんな大きな窓から、
東京の街を見下ろすことに、
心を奪われています。
そんな女性の一人の背後にしゃがんで、
2眼レフカメラで下から撮っていた男がいたというのです。

2眼レフはレンズの向きとファインダを覗く向きが90度違っていますから、
撮り易いとはいえますが、
今のようにオートフォーカスでありません。
大きくて不便なカメラの時代にも、
そういう人はいたようです。

話がクリスマスローズから大幅にずれてしまい、
大変失礼致しました。


◎  春の花 

先週金曜日は初夏の暖かさとなりました。
陽光の下で撮ってきた春の花や芽などです。


イヌフグリ

オオイヌノフグリ
ゴマノハグサ科 クワガタソウ属


イヌフグリ



ユキヤナギ

ネコヤナギ
ヤナギ科 ヤナギ属


ユキヤナギ



ボタンの芽

ボタンの芽吹き


ベニコブシ

ベニコブシ
モクレン科 モクレン属

この木が街路樹として植えられている道路がありました。
立ち並んでいる中で、
この木1本だけが花をつけていました。

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その後、
寒い日が続いていましたが、
今日は午後から雪になりました。
上の花たちも白い帽子をかぶっていることでしょう。


◎  カンザクラ 

今週は日替わりで寒暖をくりかえしています。
ちょうど寒い日に当たった火曜日に新宿へ行きましたので、
折角だからと新宿御苑へ行きました。
曇っていて、
寒いので早々に退散しました。


カンザクラ

1ヶ月前にも掲載しましたが、
カンザクラです。
あの時は小さな木だけが花を付けていましたが、
今度は大きな木が満開を迎えていました。


カンザクラ

寒緋桜の雑種だそうです。


カンザクラ

隣にもう1本同じくらいの大きな木がありますが、
そちらは終わりで、
木の下には花びらが散り敷いていました。


シュゼンジカンザクラ

シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)

これも寒緋桜の園芸種だそうで、
伊豆の修善寺境内に老木があるそうです。
こちらはまだ満開でありません。


シュゼンジカンザクラ

花は上のカンザクラによく似ています。


シュゼンジカンザクラ

目白が来て蜜を吸っていました。


◎  紅梅 

今日はひな祭り。
桃の花があればよいのですが、
代わりに紅梅です。

「紅梅」は春の季語で、
歳時記の例句の最初に芭蕉の句がありました。

紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ

芭蕉にも恋の句があったのかと驚きました。
驚くというのも可笑しいようですが、
「俳聖」あるいは「翁」と呼ばれ、
宗匠頭巾をかぶった、
いかにも老人風の肖像画を見れば、
「恋」とは縁遠い人に思えたからです。
でも亡くなったのが50歳ほどですから、
そんなに老人だったわけでなく、
恋心を抱いたとて何の不思議もありませんが・・・

紅梅や翁にもありし恋心    capucino


紅梅



紅梅



紅梅



紅梅



紅梅


紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ

芭蕉の句集に載っている解釈では、
御殿の中の玉簾の奥にいる貴い女性への恋心になっているのですが、
今風に解釈すると、
以下のようになるかと思います。

京都の祇園に白川という小さな川が流れています。
川のこちら側に道路があって、
しだれ桜が植えてあります。
川の向う側はお茶屋の奥座敷です。
階下も2階も窓には目隠しのすだれが掛けてあります。
ここの枝垂れ桜を紅梅に置き換えて・・・

紅梅が今を盛りと咲き匂っています。
お茶屋の方を見ると、
すだれの内のお座敷には舞妓さんがいるようです。
じかに顔が見えませんから、
なお更に美しく可愛く想われます。
「すだれ」が見えぬ人への恋心を作ってくれました。
(「玉すだれ」の「玉」は美称)


◎  白梅 

月が改まり3月となりました。
古い呼び方では「弥生」。
歳時記を見ると、
陰暦3月の異名である。
花見月・桜月・花咲月・春惜月・夢見月などとも言う。

とあります。

月末ころには「花見月」になりそうですが、
今咲いているのは梅なので、
今日は白梅です。

白梅

航空記念公園内の茶室「彩翔亭」の大屋根です。


白梅



白梅



白梅



白梅

最初の写真の屋根の下の部屋です。
窓ガラスに白梅が写っています。
和服の女性たちがなにやら相談事・・・


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歳時記にあった1句。

針の引く糸の尾ながき弥生かな   万太郎

久保田万太郎さん、針仕事をなさったのでしょうか?

私もたまには針に糸を通すことがあります。
老眼鏡を掛けても針の穴がよく見えません。
悪戦苦闘の末にようやく通ります。
何度も通すのは大変ですから、
糸はながーくしておきます。
長すぎると、
針を引いた時に絡んでしまって、
結局短く切る羽目になったり・・・

万太郎さんは、
「糸の尾ながき」で弥生の「春の日永」を
暗示しているのかなと思いますが、
私には「糸の尾ながき」だけが気になります。



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